半月山

 6/19に栃木県奥日光の半月山を登ることにした。この山を登ることにしたのは、登る2日前の直前となった。急遽ではあるもののどうしてもどこか行かなければならないと思った。山はどこでも自由に選べたが、一年前奥日光を訪れた時の感動が未だにあったことや、以前男体山を登っておきながらその全景を未だに直接見たことがなかったこと、中禅寺湖男体山から見下ろすことができなかったこともあり、中禅寺湖をはさんで男体山の対面の半月山にしようと思った。それに難易度や所要時間からみても、比較的容易に登れる山であったことも大きい。

 これまでの教訓を活かして、登山開始を早朝に行うべく朝は4時に起床し、すぐに出発した。朝飯は行きの車内で食べた。しかし、4時起きは流石に眠く、しばらく寝ぼけ眼であった。道中はやはり空いており、宇都宮を通る際もスカスカだった。日光駅あたりに来ると、そこからすでに男体山とその他奥日光の山々が見えるのが、やはり大きくて良いなぁと思った。駅を出て目を向けた先にこのスケールの山があるというのは良い。いろは坂を登って、中禅寺湖そばの歌が浜駐車場に着いたのは6時40分頃だった。それから準備をしたり、中禅寺湖の写真を撮ったりした。とても綺麗だった。今回の登山で得られた最も大きな収穫なのだけど、早朝に撮る写真は日中のものより遥かに良い。日中に同じように写真を撮ってから気づいた。私が朝撮ったのはスマホだけで、わざわざ持ってきたミラーレス一眼は使わなかったので後悔している。7時頃に駐車場を発って、茶木ノ平登山口へ向かう。以前登った男体山が目の前にあって、その全貌を一年越しに拝むことができた。場所によって大したことなさそうにも、よく登ったなと思える大きさにも見える。

 歌が浜駐車場から歩いて程なくのところに茶木ノ平登山入口があって、登り始めた。登山道を歩くと脇に草木が生い茂っていて脚に当たった。それ自体は邪魔ということはないが、昨晩の雨のせいで濡れていてトレッキングパンツと靴が濡れていった。それと小さな虫がそこそこ飛んでいて邪魔だった。息が荒くなってきた頃、登山が楽しくないことを思い出した。疲れるし虫が顔面に向かってくるし汗だくになるし本当に面白くなかった。登り終えるとこういうことは忘れてしまうのだなとか頭でぐるぐると考えた。登っているときはこうしてしょうもないこと考えがちになる。

 茶木ノ平峠まで来ると休憩をとることにした。それほど急いでいないので、焦らず行くつもりだった。ここまで来ても誰とも会わなかった。たいてい、登ってると登山者はいるものだが、休憩していても誰も来る気配がない。この辺りには、男体山でも奥白根山でも他に高い山がいくつもあるし、この山は山頂付近まで車でも登れてしまうしそれほど高くもなくて人気はないのだろうと思っていたけれど。休憩中、問題なく通信できるのでスマホをいじったりした。しかしスマホをいじっているとまったく休まらないので止めた。

 再び登り始めてすぐに鹿の親1匹、子2匹に遭遇した。歩く先30mくらいのところにいてすぐ逃げないので写真を取ろうとスマホを取り出そうとすると、すぐバラバラに散っていった。クマじゃなくてよかったと思った。クマと遭遇したら、怖くてしばらくは山に登る気にはならないだろう。*1その先を歩いて行くと道が二つに別れていて、上り坂になって入るほうを行くと、視界が開けた場所に出た。そこから真ん前に中禅寺湖、右に男体山があった。中禅寺湖に雲の影が映っているのがわかる。すごく良い景色だったので写真をいっぱい撮った。そのあとすぐに木造の展望台があった。こちらからの景色より、さっきの場所の方が景観が良かった。ここでも写真を撮り、先へ行こうとすると登山道とは別の道から県道で来たと思われる男性が歩いて来るのが見えた。

 そのあと県道250号線に出た。中禅寺湖スカイラインと呼ばれていたりする。これを横切って勾配のある坂をずっと登って行く。結構登った気がしたので、もうそろそろ頂上か!?と思ったが、登った先はテレビ中継局だった。その辺にあるような電線が伸びていて興を削ぐなと思った。ここで地図を確認すると、頂上までまだ半分くらい歩く必要があった。中継局を過ぎて下って行くと、県道とその脇にある中禅寺湖展望台に出た。

 展望台には誰もいなかった。ベンチが3つほどと、テーブルとベンチが一体になったものが2つあった。景色は悪くないが、木々に視界が遮られている。視界が開けている点と景観そのものは、先ほど山道で見たスポットの方が良いなと思った。ここで休憩していると観光バスがきて、老人たちが降りて来た。バスには高校のなんとかと書いてあった。

 その先ひたすら歩いていくと9時45分頃に頂上に着いた。頂上は岩が積み重なった場所でとても休憩できるような場所ではなく、特に景色も見えない。もちろん誰もいない。その先に行くと半月山展望台があって、ここで休憩することにした。ここまで来るのに疲れたのは間違いないが、男体山のことを思い出すとそれほど大変ではない。目の前には男体山があって、今いる場所よりずっと高い。ここで目の前にして、改めてこんなでかいのをよく登ったなと思った。

 展望台は誰もおらず、景観は非常に良かった。視界が開けていて奥日光の山々とその左手に足尾地域の山も見えた。ここからは富士山も見えるらしいがどれが富士山なのか、見えているのかもわからなかった。少し早いがお腹も空いているし飯を食うことにする。バーナーを使ってチキンラーメンを食う。火をつけるのにやや手こずったがなんとか作れた。その頃に中年男性が1人やって来た。写真をたくさん撮っていた。大変良い場所ではあったが、蜂や虻のような虫が寄って来て邪魔だった。飯を食っていると中年男性は降りていった。

 飯を食い10時30分頃下山することにする。足元の注意は必要だが体力はそれほど消費しないのでどんどん下っていった。山を下りきるあたりで先に行った男性が歩いているのが見えた。男性は向こうに見える湖畔に出ていった。私も同じように湖畔に向かった。木々を抜けるとそこから砂浜が水際まで続いていた。ここに着いて登山を終えた気分になった。ここで少し休憩して、湖畔沿いのアスファルトの道を歩く。途中、イタリア大使館別荘があって、瀟洒な庭園の中を通り抜けた。間もなく、駐車場に戻り登山を終えた。

 車に戻ったとき観光客が外国人とかお年寄りとかいろんな人が周りにいた。で、片付けをしていると、後ろの方から、「滋賀?」「滋賀だって」「滋賀!?」というやりとりが聞こえて来た。私のナンバープレートをみての会話なのだろうけど、滋賀を連呼していて笑えた。

 計画段階から登山後は温泉に行きたいと思っていた。せっかく滅多に来ない場所で汗水垂らしておいて、時間もあるし入らない手はない。那須岳の際も温泉だらけの場所でなぜ入らなかったのか意味がわからないとさえ思う。温泉をサーチしてみると、あたりにいくつかあって、700〜1000円くらいで入れそうだった。しかし、今思えばやはりおかしいのだが、入らないで浮いたお金を昼飯などに使えばかなりの贅沢ができるのではと思った。いやしかし、特に飯に興味があるわけではないので、すぐ近くにある華厳の滝を一目見たかったのもあるのでそちらに行くことにした。

 すぐに華厳の滝に着いた。しかしもともと来るつもりはなく、格好が車さえ乗れたら良いというラフすぎるものだったので少し躊躇った。華厳の滝は、駐車場に停めて専用のエレベーターに乗ればすぐに行けた。あまりにも呆気なく行けてしまうなと思った。児童か生徒の集団が多かった。華厳の滝は、日本三大名瀑の一つだ。一つは、茨城県の大子市にある袋田の滝でこちらも半年前に行ったことがある。それと比べると、落差、水量はこちらの方があって迫力が違った。有名なだけはあるのかなと思った。しかし、ここまで来るための苦労がないことに物足りなさを感じた。有名な観光地をすら素直に楽しむことができなくて、ダメだなと思った。

 華厳の滝を見終えて、ちょうど時間もいい具合に経ったし帰ることにする。途中、ファミリーマートでコロッケとパンを買った。コロッケは中学生の時、なけなしのこずかいでよく食べていたのを思い出す。それ以来の気がする。その時と変わらない味だった。しばらく走っていると、眠くなってきて音楽をポップで騒がしいもの、それに知ってるものにしようと星野源の『POP VIRUS』をかけた。このアルバムを聴くのは初めてで、3曲目あたりから知らない曲でうるさくもなかったので、眠くなるので他のものを選ぼうとした。そのとき、誤操作で清竜人TOWNの『TOWN』を選択した。こちらも聴いたことがなかったのだが、聴いてみるとめちゃくちゃ騒がしくポップなアルバムだった。だいたい合唱で、おふざけもあったりで、特にTOWNという曲が最高にうるさくて目覚ましによかった。そんな具合で、なんとか自宅へと無事帰宅した。

*1:本来は登山前に確認しておくべきことではあるが、調べたところ2019年に半月山でのクマの目撃情報はなかった。