那須岳(朝日岳・三本槍岳)

 2018年9月19日栃木県の那須岳を登ることにした。2連休の初日、予報によれば天候が良好なため決行。6時自宅を出発。GoogleMapでは2時間程度で着くようだが、実際のところはもう少しかかるだろうと予想していた。カーナビでは行き先の名称が出てこないため付近を適当に目的地に設定した。道は早朝のためか、相当空いており栃木県までスムーズに行くことができた。栃木県と茨城県の県境辺りは木々の合間の一本道を走る。だんだん山も見えてきて関東平野の境でもあるようだ。この辺りの寂れ具合がとても良かった。閑散とした町や営業していないだろうお店がときどき現れる。私が向かう那須岳の登山口は峠の茶屋という名称だが、県境あたりにも峠の茶屋という全く同じお店があった。店はとうに潰れているようだった。周辺に民家等もなく木々の中ポツンとあって、営業していたとしてもわざわざ訪れる人などいないだろうなと思った。ほかにも自然公園の看板があって、その存在は知らなかったのですこし立ち寄ってみたいなと思った。あと一つ、野原一面に白い花の咲いた植物の群生がいくつか見られて綺麗だなと思ったのだけど、柵で囲われていたところもあったから、果実が成る植物を栽培していたのかもしれない。

 車のナビが古すぎて行き止まりにぶち当たったりもしたが、栃木県に入った後も比較的スムーズに行くことができた。男体山に行ったときは道がもう少し複雑で、多少混雑があった気がする。早朝に出ると混雑も回避できるのは大きい。8時頃カーナビに設定した目的地についたが、峠の茶屋駐車場思われる場所がない。調べてみるとここではないらしく、さらに30分先に行ったところが登山口のある峠の茶屋のようだった。結局、30分後登山口に到着した。駐車場は半分くらい埋まっていた。駐車場はすでに標高がかなり高い場所にあって、そこから街全体を見下ろすことができた。そこから山頂もすぐ近くにあった。

8時45分ごろ登山開始。木々の中を登り始めて30分も経たず視界が開けて、正面遠方に避難小屋、右手に朝日岳の全貌が現れる。景色がめちゃくちゃ良い。そして、天候極めて良好では雲ひとつない快晴だった。いままで山を登っていてこんな天気は経験したことがなかった。いつもどこかに雲がかかっていて景色が見えなかったりしたものだが、まるで違った。秋の空だった。岬の茶屋避難小屋に着いて一旦休憩した。平日にもかかわらず人が想像以上に多い。ほとんどが中高年層だった。ここから剣ヶ峰を経由して朝日の肩へ行く。

 剣ヶ峰の側面を進むと先にと鎖場があって、滑落と死ぬなというところで正直怖い。他の登山者は全然そんなふうには見えない。御老体の団体がゆっくりながらも淡々と登っていた。朝日の肩(朝日岳のすぐ下の鞍部)に着くと、木製のベンチがいくつかあって休憩ができる。ここから私は三本槍岳の方へ向かう。

 鎖場にはビビったが、その後は危険な場所は一切なく、登山道も非常にわかりやすかった。それに雲がなくてずっと山岳や街が水平線まで続くのが見えて楽しい。この辺りからはほとんど人がいなくてそれも良かった。人は少ないくらいが良い。三本槍岳へ向かう道中にある熊見曽根は周りより少し高いところにあって景色が良いので、写真をたくさん撮った。

 その後、清水平辺りは色彩の豊かな高山植物が一面に広がっていた。その中に水場があって、そこを木道で突っ切る。この場所は空の中にあるから、それ以外見えるのは全部空で、その情景が素晴らしくて、空中庭園という言葉が浮かんだ。空中庭園というものを知らないけどそれのようだ。めちゃくちゃ良い場所だった。その先は緩い坂で歩いていくと、三本槍岳の山頂に着いた。着いたのは11時10分ごろだった。

 山頂には人が15人くらいの人が休憩していた。山頂からも景色が良いが、正直ずっと良い景色が続いていたので、それとそれほど変わらない。景色を撮ったあと、休憩した。食事をとった。なにも不安なことがないし、考える必要もなくて穏やかな時間だった。幸福のようだった。食事はパンとカロリーメイトだけで山頂で食べるにしてはそっけなく感じたので、次はインスタント麺を持っていこうと思った。

 私は写真に映るのが苦手で、ずっと風景だけ取ればいいと思っていたけど、以前より山頂で記念撮影をしている人たちをみると、ものすごい虚無感が襲ってきてくることがあって、今回からは写真を撮ってもらうことにした。文章も撮った風景も全部、ずっと後からでも参照できる記録として残しているけど、自分が抜けいているのはまずい気がした。自分がしてきたことの一番確かな記録が必要だった。

 この日この登山にあたり、あらゆるものが期待以上のパフォーマンスをしていた。朝も早く起きれたし、道も空いていた。予定も大幅にずれなかったし、余裕を持って行動できた。那須岳は風が強いそうだが、この日はほぼ無風だった。天気はこれ以上無いくらい良かったし、登山道も鎖場以外は歩きやすかった。登山道からの景色はずっとよかった。清水平の空中庭園っぷりも良い意味で想定外だった。考えられないくらい全部が上手く行っていた。

 大変さという点でも男体山に登ったときとまるで違った。今回は全然疲れを感じなかった。登ったというより歩いたという方が近い。奈良県の大台ケ原のときと似ている。標高の高い場所からスタートして、上ったり下ったりしていると三本槍岳まで来れた。男体山那須岳より体力的に過酷すぎた。登山ガイドではどちらも必要とされる体力は同程度とされているのだけど、那須岳男体山に比べたらめちゃくちゃ楽だ。もちろん、今回は早めに行動していたから精神的な余裕もあったことも大きいとは思うけれど。山によってこれだけ違っても、登るまではわからないのだなぁと思った。

 11時50分に山頂を出発、ピストンで朝日の肩まで戻り、朝日岳に登ることにする。朝日の肩までは休憩はとらずに着いた。途中景色が良いので何度も立ち止まって写真を撮っていたのでそのたびに息を整えられていた。朝日岳まではすぐ近くで、5分くらいで行くことができた。朝日岳からの景色が今回見た中でも一番良かった。朝日岳は街の方に近くて、街を見下ろすのに最も適した場所にあった。あとは、駐車場へ戻るだけだったので一気に降りた。駐車場に戻ったのが14時15分だった。

 岬の茶屋の付近は湯本温泉があってせっかくなので入ろうかとも思ったが、下着を持ってきていなかったのと、あまり入る気がしなかったので止めた。全く疲れを感じなかったので、観たかった映画でも見るかと思ったが、観たい映画のその日の上映は終了していたので断念した。どこかに寄りたいとは思っていたが思いつかなかったので、直帰することにする。

茨城県の県に入った辺りの辺鄙な場所に、文書館なる看板があって、思いつきで行ってみた。廃校を利用した施設らしく、閉館しており、市の公用車が置いてあった。*1

*1:全く営業している気配がなかったがその日も開館時間に間に合わなかっただけで市による施設の運営は続いているらしい