男体山

男体山

 6/30男体山に登ることにした。自宅から比較的近く大きめの山だからだ。標高2486m、標高差1200m。伊吹山とも近い。GoogleMapによれば車で片道2時間程度でいけそうだ。それに合わせて起床時間を調整した。

 当日7時30分出発でカーナビに行き先を入力したところ、所要時間が3時間と表示された。既に登山計画通りに行かなそうだった。急ぎ目に車を走らせて2時間30分程度で登山口の二荒神社の駐車場に着いたのだけど、駐車料金500円と事前に調べた駐車料金無料というのと話が違う。受付の人と話すと私の目指していたのはどうやら別の二荒山神社らしく、ここからさらに30分はかかるらしい。完全に準備不足だ。住所を入力してさらに車を走らせると、カーナビにぐちゃぐちゃに曲がった道で小腸みたいなのが表示された。いろは坂というらしい。山を上がる道ので勾配もある。ぐねぐねだしロードバイクで走っている人も何人もいて走りにくく随分神経をすり減らした。いろは坂を登ると山々に囲まれた標高1000mの街に着いた。中禅寺湖というのがあって、大きな山を背景にした湖はとても画になっていた。もう、すぐ近くに駐車場はあるはずだが、カーナビに表示された場所はなぜか行くことのできない森の中を示していて、駐車場に辿り着くまで結局さらに時間を食った。登山口受付についたのが11時で予定がめちゃくちゃに狂っている。登山は冗談なしに死と隣り合わせなのでかなりまずいなと感じていた。安全を考えてやめたほうがよいかもしれないと思ったが、ここまで来てやめるわけにも行かず、最悪登頂できなくて途中で戻ってもよいから行けるとこまで行こうと考えた。

 とりあえず登っていくと、すぐに登山者を発見した。遅くに登り始めた人がいることに少し安堵した。登山者よりも下山者と会うことの方が多く、小さな子供もいた。焦っているせいかスピードを抑えなきゃなと思いつつも早足になってしまう。20~30分たった頃にはすでに汗だくで疲れていた。この調子だと本当に頂上まで行けないかもしれない。しばらく歩くと、アスファルトで整備された道が続いていた。歩きやすく登山ぽくはないが正直大変ありがたい。ここから中禅寺湖が見え、登山者の1人が写真を取っていた。挨拶をして暑いですねと言葉を交わした。登山口でもらった登拝者案内によれば一合目から三合目まで50分かかるそうでとりあえず三合目についたら休憩しようと思っていた。歩いている間、今回の登山つらくてマジでなんで登ってるんだろうと思った。もうバテていた。予定が狂って予定時刻より遅れていることで不安と焦りがあるのがよくなくて、入念な準備めちゃくちゃ大事だなと感じた。遭難したり体調崩したり怪我したりそういうトラブルがあったときことを想定しているので精神的な問題はパフォーマンスに影響がめちゃくちゃ出る。

 すごくつらいと思いながらもう少しで三合目だと思って登っていると、五合目とかかれた石碑が現れた。そこで少し休憩した。あとからわかったが、三合目はアスファルトの道のとこだったらしい。三合目にすら到達できていないと思っていたので五合目に着いたときには、もう五合目着いたのかと気持ちが随分楽になった。時計を見ると登り初めて50分経っていて、そこそこ早く上れているらしい。この調子なら行けないこともないかもしれないと思った。

 休憩を終えまた登り始めた。ひたすら登りにくい道が続く。伊吹山の時と全然違う。アスファルトの道を除いて一合目から足場がガタガタで登りにくくひたすら急傾斜だった。エネルギーを消費してか登っていると、お腹がゴリゴリと鳴る。登山者が何人かいて抜いていった。だんだん険しいガレ場が多くなってきて、手を使うことが多くなる。どこまであるのというくらい急峻なガレ場がどこまでも続いている。もうそろそろ頂上じゃなかろうかと思いかける。そして、ようやく七合目に到着した。時刻は13時だった。

 あまりに腹がゴリゴリとなるので飯を食うことにする。そのときインスタントラーメンの匂いがして他の休憩していた登山者が食っていたのだろうが、その匂いがすごく美味しそうでこんなにインスタントラーメンの匂いが美味しそうに匂ったことはなく、それを無性に食べたくなった。人の言う山で食うインスタントラーメンは絶品という意味がわかった気がした。登山アプリを見るとたしか標高1900mあたりだったと思う。汗をかいてシャツはビショビショだし暑いのか寒いのかよくわからない。水を500mlを三本持って来たが、1本は一気に飲み終えた。もうめちゃくちゃ疲れたしそろそろ頂上だろうと思った。休憩していた若いグループが八合目以降は歩きやすくなるらしいよといっていたのでそれに期待する。13時20分ごろ七合目を出発する。ひたすらガレ場だ。ようやく、ようやく八合目に到着した。

 しかし、その後もずっとガレ場は続いた。しんどい。さらに進む。すると、ガレ場が終わっていた。しかしやったとは思えなかった。そのあとは、手を使わずに歩けるような場所ではあったが、勾配が大きな坂だった。そろそろ頂上だろうと思っていたので期待が裏切られ、歩けど歩けど急な坂が続いてもう限界だった。その途中で2人で登りに来たらしいおばさんがいて、1人が少し遅れていたのだけど下山者にここからあと1時間くらいと言われたようで、私に構わず先に行って!あなたの方が速いのだから!と叫んでいた。下山時刻を考えて私が来なくても降りてきてと言っていた。登山は常に下山のことを考えて動かなくてはならないし、ここまで来て撤退するのはすごく悔しいだろうけど妥当な判断なんだろう。さらに下山者の1人はここから35分と言っていて私はそちらを信じたかった。というかまだ35分も歩かなきゃならないなんて信じられなかった。2人組のおばさんたちを抜いて急な坂を歩いた先には木々がなくなり、赤土の道が現れた。

 木々がなくなったのは明らかに最終局面だし頂上はもうすぐそこだと思われた。ところが頂上がみえずずっと歩く。坂が多少ましになった気もするが今度の地面の赤土はかなり滑りやすいし怖い。歩きにくい。赤土の匂いなのかここら辺は独特の香水のような匂いがした。頂上まであと少しなのは間違いないし、ここまでくれば当然頂上に行くつもりだった。降りてくる登山者も多い。途中気が違ったのか赤土を走って降りる女性がいた。あんなテンションのおかしな女性がいるのだから頂上が近いに違いなかった。その女性とすれ違って10分くらいだろうか、ようやく頂上に着いた。時間を見るとちょうど14時だった。

すごく疲れていたが、鳥居とかよくわからない剣が岩に刺さってたり頂上も歩きまわれるのでいろいろ歩き回った。いままであまり写真を撮る余裕がなかったので、いろんなところから風景を撮った。しかし、残念なことに雲がかかっているためあたり全体を見渡すことができなかった。頂上付近では大学のサークルか何かできたのか若い人の集団がお昼を食べていたり、外国人がいたりした。しばらく歩き回って休憩した。足は途中から痛み出していたし、突っ立っていると少し震えているのがわかる。岩に刺さった剣の近くでおじさんが安倍政権の話をしていた。そういえば伊吹山でもおじさんたちがしていたのを思い出した。二合目終わり、アスファルトの道に出て中禅寺湖が見えたあたりで写真を撮っていて挨拶を交わしたおじさんがきていて、おぉ〜となんだか嬉しいというか、あなたも来たんですねという気持ちになった。なんだか偉そうだけど私はわりと急いで来たし、結構な数の登山者を抜いてきて*1まぁそれは単に自分のほうが若くて体が動くし体力もあるからで、特別体力があるからとかそういうのでは決してない。だけど、かなり最初の方で会ったおじさんが私が到着してから20分くらいで到着したということは私のように登山者を追い抜いて来たんだろうし、通常歳とともに体力や筋力が衰えることを考慮すれば単純にすごいなと思えた。最初の方に会った人とこの大変な道をお互いやって来たんだという仲間意識みたいなのを勝手に抱いていた。ここはせっかくだし挨拶でもするかと思ったけれど、やっぱりできなかった。時間的に無理なら頂上を諦めると言っていたおばさんも頂上に来ていた。よかったよかった。

 14時30分に下山を始めた。滑りやすい赤土は下山するとき大丈夫だろうかと思ったけれど、案外平気だった。急な坂道も踏ん張るのに足の力がいるがなんとかなる。下るのは登るのに比にならないくらい楽だ。登る際は帰りの体力のことや体の怪我について用心しなくてはならないが、体力を残しておこうとかほとんど気にする必要がなく精神的に余裕があるのが大きい。ガレ場になると改めてめちゃくちゃ急だなと思う。怖がりなので慎重に行く。八~九合目辺まではまだ登山者がいて、見たことのない人が多くてたぶん自分より後に登り始めた人だ。自分が抜かして来た人たちはほとんどいなくて、リタイアしてしまったのかなと思った。かなりきつい道のりだから諦める人も多そうだと思った。七合目にいた3人の若いグループとかあのあと結局見なかったけどどうなったのだろう。それにしてもガレ場がめちゃくちゃ長い。こんな長い道のりよく登って来たなと思う。下山となると早く帰りたい気持ちしかなく、体力のことなど構わずに速く歩いた。下山なんて楽だと舐めて歩いていたけど、全然終わりが見えなくて長い。足にマメができた感覚がするし、気圧変化のせいか頭も痛いしへとへとなんだけどもうすぐ着くやろと休憩もせず歩いた。ようやくアスファルトの道に戻るがその後の二合目~一合目がかなり長い。こんな長かったかというくらい長い。そしてようやく登山口まで戻って来た。17時15分だった。

 そのままトイレに行って顔とか頭とかをさっと洗う。さっさと車に戻って着替えてせっかくなのですぐ近くにある中禅寺湖を写真に撮った。カーナビによれば自宅に着くのは21時過ぎになるらしい。行きしなにも思ったんだけど、ここらへんは観光地らしい。男体山に行くと決めた時には全然気づかなかった。男体山は日光の奥にあって観光客が多かったし、間違えて行った有料駐車場のところは日光東照宮のそばだった。男体山は奥日光と呼ばれるその名の通り日光の奥にすすんだところにある観光地のようだ。そしてこの奥日光めちゃくちゃ良い場所で、周りの山が全部今まで見たことないような桁違いにデカい山しかない。登るまでどれが男体山かわからなかった。標高1000mのとこにあるというのもイカしている。とにかく良くてもっといろいろ見たかった。帰り、糖分を多分摂った方が良いし飲み物も無くなっていたので、コンビニでパン菓子とフルーツジュースを買った。そして3時間くらいかけて帰宅した。ここ数年で一番疲れたと思う。体が終わっていた。

 登る前に男体山について二度と登らないと書いていた人がいたんだけど、私も同意見で二度と登るかという感じだ。しんどすぎる。精神的に余裕がなさすぎたのもある。リサーチ不足すぎるのが問題で、予定が狂ったのもあるけど、もっと周辺散策できたんじゃないかというのがあって、名所とされる戦場ヶ原は行きたいなと思っていた観光地だったので近くにあるとわかったとき勿体無いことをしたなと思った。山なんて登るかと思ったんだけど既に思い出補正されてるっぽくて、登るの悪くないなと感じている。正直何にも楽しくなかったのになぜ… ?

 

余談とか感想

帰ってから男体山でサーチすると、登山した人の情報があって、

 

これ発見して化物かと思った。あの過酷な登山の後、観光楽しみすぎてしょう。本人はなんとも思ってないようだけど、私から見たら狂気の沙汰だ。そして男体山を長距離ランナー川内選手もトレーニングで登ったことがあり往復で1時間30分らしい。同じ尺度のもとだとすごさがよくわかる。*2

*1:抜いて来た登山者のほとんどが私より歳が上で、すれ違った登山者でもっとも多いのが40~50歳くらい方という印象がある。

*2:

名峰男体山・奥日光方面単独トレランにチャレンジ! - ★未来への躍動!! アルプス・ハリー 体験 Report - Yahoo!ブログ